車両・運転

屋根にパンタグラフがない!電気はどうしてる?

------------
答え

「第三軌条方式」で取り入れています

電車は、電気を外部から取り入れて走る乗り物です。 大きくは、2つの集電方式が採用されています。 地上を走っている電車のほとんどは、電車の屋根に取り付けた「パンタグラフ」で、架線から電気を取り入れ走っています。これは「架空線方式」と呼ばれる集電方法です。
パンタグラフがない地下鉄電車の場合は、2本のレールのわきに設置された第三軌条(サードレール)から電気を取り入れる「第三軌条方式」が採用されています。

●架空線方式の路線 ※相互乗り入れ路線含む
札幌市営地下鉄 東西線・東豊線
仙台市地下鉄 南北線・東西線
東京メトロ 日比谷線・東西線・千代田線・有楽町線・副都心線・半蔵門線
都営地下鉄 浅草線・三田線・新宿線・大江戸線など
横浜市営地下鉄 グリーンライン
神戸市営地下鉄 西神・山手線・海岸線
名古屋市営地下鉄 鶴舞線・桜通線・上飯田線
京都市営地下鉄 烏丸線・東西線
大阪市営地下鉄 堺筋線・長堀鶴見緑地線・今里筋線
福岡市営地下鉄 七隈線・空港線・箱崎線

●第三軌条方式の路線
札幌市交通局 南北線
東京メトロ 銀座線・丸ノ内線
横浜市営地下鉄 ブルーライン(1号線・3号線)
名古屋市営地下鉄 東山線・名城線・名港線
大阪市営地下鉄 御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線

経済的で断線の心配がない「第三軌条方式」

車両の台車に取り付けられた「集電靴(コレクタシュー)」が、走行レールの脇に敷設されたもう1本のレール(第三のレール)をこすりながら走ることで、電気を取り入れます。 「架空線方式」に比べ、トンネルの断面が小さくてすむという経済性と、構造がシンプルで断線の心配がないという理由から、日本で最初の地下鉄である東京メトロ・銀座線と丸ノ内線に採用されました。
基本構造
基本構造
(提供:地下鉄博物館)
第三軌条(東京メトロ・銀座線)
第三軌条(東京メトロ・銀座線)
(提供:東京地下鉄株式会社)
集電装置:集電靴(コレクタシュー)札幌市営地下鉄南北線の例
基本構造
(提供:札幌市交通局)

地上の鉄道との“相互乗り入れ”には「架空線方式」

地上を走る鉄道と“相互乗り入れ”を行う路線では、同じ集電方式が必要とされるため、架線からパンタグラフで電気を取り入れる「架空線方式」が採用されています。 電流が流れる架線は、地上部ではトロリ線ですが、トンネル内では架線が切れないように、地下鉄特有の「剛体架線」が使われています。
基本構造
基本構造
(提供:地下鉄博物館)
ムービーで見てみよう!
(提供:地下鉄博物館)

英国・ロンドン地下鉄は世界的にも珍しい「第四軌条方式」

世界で初めて地下鉄を走らせた英国の首都ロンドン。ここで採用されているのは、世界でも採用例が少ない「第四軌条方式」となっています。走行用のレールの外側に「第三軌条」1本、内側に「第四軌条」1本の電力供給用のレールが設置されています。
ロンドン地下鉄
(出典:2015「世界の地下鉄」日本地下鉄協会 編/ぎょうせい刊)

ページトップへ戻る

戻る