車両・運転

「ゴムタイヤ」の電車ってほんとにあるの?        

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答え

札幌の地下鉄はすべて「ゴムタイヤ式」車両です

(協力:札幌市交通局)
札幌市営地下鉄は日本で4番目の地下鉄として、1972年(昭和47年)2月に開催された札幌オリンピックに合わせ「南北線」を開業。最初からレールと鉄輪ではなく、日本初の「ゴムタイヤ方式」が採用されました。現在、南北線・東西線・東豊線の3路線・48キロで営業しています。
世界的には、パリ(フランス)、ハイファ(イスラエル)、モントリオール(カナダ)、メキシコシティ(メキシコ)に次ぐ世界で5例目の導入で、「中央案内軌条方式」という世界で唯一の方式を採用しています。

世界で唯一レールがない「札幌方式」

札幌の地下鉄には、一般の鉄道のような2本のレールがありません。ゴムタイヤですが、ハンドルも無いので、かわりに真ん中に1本、太いレールのような突起があります。これを「案内軌条」といい、走行用のゴムタイヤとは別の「案内輪」でこれをはさみ、ガイドレールとして進行方向を決めています。
このような方式を「案内軌条方式」といい、走行輪と案内輪にゴムタイヤを使ったのが世界で最初だったため、「札幌方式」とも呼ばれています。
この案内輪で走行路中央の「案内軌条」をはさみ、進行方向を決める。
南北線は「H字型」形状
南北線は「H字型」形状
東西線・東豊線は「逆T字型」の形状
東西線・東豊線は「逆T字型」の形状
(協力:札幌市交通局)

ゴムタイヤが採用された3つの理由

①静かで乗り心地が良い
一番古い南北線では市街地で地上の高架線を走るため、騒音を抑えることができる「ゴムタイヤ式」が効果をあげています。

南北線5000形
南北線5000形
東西線8000形
東西線8000形
東豊線9000形
東豊線9000形
(協力:札幌市交通局)

ムービーで見てみよう!
(協力:札幌市交通局)

②加速・減速がしやすい
ゴムタイヤは加減速性能が高いので比較的駅間距離の短い路線に最適です。

東豊線9000形
(協力:札幌市交通局)
③登坂性に優れている
南北線は地下から地上の高架線へと走行するため、ゴムタイヤのほうが坂を登りやすいという理由で採用されました。
地上走行区間は全てかまぼこ型のシェルターで覆われており、雪の多い都市・札幌でも安全に走行できます。

ゴムタイヤがパンクしたらどうする!?

ゴムのタイヤなので、空気が抜けたりパンクをすることもあります。こうしたトラブルに備え、安全対策も万全です。

◎パンク検知装置

パンク検知装置
(提供:日本地下鉄協会公式サイトより)
走行路の一部にロードセルを数カ所設置。ゴムタイヤがロードセルにのった時、左右輪の荷重を電気的に計測・比較します、タイヤのパンクや内圧低下を検知すると、信号を指令所(運転指令・設備指令)に出力します。

◎金属製補助輪

パンクをしても走行できるように、金属製の補助輪(左下写真左右の部分)も備えています。この補助輪は東西線と東豊線の車両についており、パンク時は時速約35㎞での走行が可能です。 南北線では、トラックの後輪のような「ダブルタイヤ」の車両を採用しているので、片方がパンクしても走行できるからです。
金属製補助輪(東西線・東豊線)
金属製補助輪(東西線・東豊線)
(協力:札幌市交通局)
ダブルタイヤ(南北線)
ダブルタイヤ(南北線)

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