一般社団法人 日本地下鉄協会

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パリ(PARIS)


フランス
French Republic

人口●6688万人
面積●64万3427km2
主要言語●フランス語
通貨●ユーロ
1ユーロ=134.92円
1人当たりGNI●4万1850ドル

西ヨーロッパ中央部の共和国。紀元前2世紀のローマではガリアまたはゴールと呼ばれた地で、その後ゲルマン民族の大移動で、フランク人が侵入した。フランクとは古ザクセン語で「投げ槍」を意味するといい、彼らの主要な武器であったという。5世紀にフランク王国がおこりそれ以降、国名が定着した。ヨーロッパ最大の農産物輸出国である。

パリ Paris

フランスの首都で人口227万人(2010)。紀元前1世紀シーザーに滅ぼされるまでセーヌ川中流のシテ島を中心に、ケルト族の一派パリシー族の本拠地であったパリは、フランスの政治、経済、文化の中心地であると同時に世界の文化、芸術、ファッションの中心地でもある。古来より"ヨーロッパの十字路"として、「芸術の都」あるいは「花の都」と呼ばれてきた。市内にはノートルダム寺院、ルーブル美術館、凱旋門、エッフェル塔、コンコルド広場のほか、多数の歴史的記念物があり、世界的な観光都市となっている。

営業主体

Régie Autonome des Transports Parisiens(RATP)
URL:http://www.ratp.fr

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

最初のパリの地下鉄は、パリ・メトロポリタン鉄道会社(Compagnie du chemin de fer métropolitan de Paris: CMP)によって1号線Porte Maillot~Château de Vincennes 間が1900年パリ万博の開催に合わせて開業した。この結果「メトロ」という言葉が地下鉄を表す名称として世界中で用いられるようになった。パリの地下鉄はCMP とその後、設立された南北地下鉄会社によって建設が進められた。南北地下鉄会社によって建設された12号線及び13号線は当初は架空線集電方式で建設され開業したが、後にCMP に合わせ第三軌条化されている。1930年CMP に建設運営が一元化され、1935年には、現在の14号線を除く大部分の地下鉄網が完成している。
第2次大戦後の1949年、公共旅客輸送事業者としてパリ運輸公社(RATP)が設立され、イル・ド・フランス(パリ首都圏)の地下鉄等の公共交通システムを管理運営することとなった。現在、イル・ド・フランス圏には、地下鉄のほか郊外鉄道、郊外と都心を結ぶ地域急行線(RER)、トラム、オルリーVAL(新交通システム)があり、地下鉄、RER、トラム、オルリーVAL はRATP が、郊外鉄道、RER の一部とトラムの一部はSNCF(フランス国鉄)のイル・ド・フランス圏旅客局が運営している。なおRATP が運営するRER は、SNCF 線と直通運転を行っている。
1935年に一部開業した11号線は、1958年、1435mm軌条の外側に鉄板の走行路を敷きその上をゴムタイヤで走行、軌条は案内軌条の役目を果たすゴムタイヤ車両を採用した。このゴムタイヤ車両は、現在5路線(1・4・6・11・14号線)で採用されている。また、2号線のPorte Dauphine 駅などの終端駅や中間駅での折り返しに、ループ線を利用する例が見られる。
1998年10月、地下鉄としては63年ぶりの新線として最初の区間が開業した14号線は、メテオール線と呼ばれ、自動無人運転、ホームドア設置など新機軸が随所に用いられ登場した。現在、Olympiades 駅から南側への延伸工事が進められている。
また、2011年11月には1号線が無人運転を開始した。営業中の路線を無人運転化した例としては、世界でも最初の試みであった。無人運転化は14号線での実績をもとに、ホームドアを設置して運転指令での監視システムを展開し、さらに運転時隔を105秒から85秒に短縮して列車を増発することにより混雑緩和を図ったものである。無人運転化当初は、列車の半数に監視要員として運転士を乗務させていた。
今後の計画として「メトロ2030」では、4号線は南へBagneux までの、11号線は東へRosnyBois-Perrer までの、12号線は北へAubervilliers までの、14号線は北へSaint-Ouen までの延伸がそれぞれ計画されている。このほか、新線として、15・16・17・18号線の4線が計画されている。さらに、RER 線及びトラムの延伸、新線も計画されている。


1号線Palais Royal Musée du Louvre 駅出入口はエクトール・ギマールの作品(複製)
提供/藤森啓江


Gare de l'Est(パリ東)駅
提供/矢崎康雄

データ

開通年 1900年7月 軌間1435mm
営業キロ 219.9km電気方式 直流750V
路線数 16 集電方式第三軌条/給電・案内軌条
駅数 303 運転保安ATC/ATO/ATS
運行時間 5:30~1:15 最小運転間隔 1分35秒
運賃制度ゾーン制 列車運転線路 右側
輸送人員 418万人/日(2011)   

利用方法

運賃

ゾーン制(1.8ユーロ~)

乗車券

普通乗車券、回数券(10枚つづり)、1日・2日・3日・5日乗車券等

旅客案内

券売機には多国語表示機能があるが、車内放送・案内表示はフランス語のみ。目的地に行くには路線番号と終着駅の表示のみ

アールヌ-ボー様式の出入口

パリの地下鉄の出入口には、建築家エクトール・ギマールの手により、花や植物などの有機的なモチーフの組み合わせが特徴のアールヌーボー様式(「新しい芸術」の意)でデザインされたものがあり、ウイーンの地下鉄のオットー・ワーグナーによるユーゲント・シュティール様式(ドイツにおけるアールヌーボー様式のこと)の駅デザインと双璧をなしている。多くはその後解体・改築され残っていないが、Porte Dauphine 駅(2号線)のものはオリジナルの姿で現存するといわれており、12号線のAbbesses 駅など数駅で見ることができる。

パリのゴムタイヤ車両

パリの地下鉄ではゴムタイヤ車両が使用されているが、これは、ゴムタイヤのみではなく、軌道面に1435mm軌間の2本の金属レールがあるとともに、並行して外側にゴムタイヤ用の金属製走行路が敷設されている。ゴムタイヤは、車体の荷重を受けとめ、台車内側の金属車輪と軌道の金属レールは、列車の進路を誘導する案内軌条の役割を果たしている。これにより、騒音の低減と加減速性能の向上が見込まれ、また、水平に回転する案内輪と案内軌条を持つことから非常に脱線しにくいという特徴を持っている。反面、摩擦抵抗が大きいため、消費電力量が増加するという欠点もある。この方式は、フランスの技術供与を受けたメキシコシティ等の地下鉄にも採用されている。

パリの交通博物館

正式名称はMusée des Transports Urbains, Interurbains et Ruraux(都市、郊外、都市間交通博物館)。1957年に設立されたAMTUIR(都市、郊外長距離交通博物館協会)が中心となり、1964年にパリ郊外のマラコフ(Malakoff)に開館し、1971年に同郊外のサン=マンデに移転した。乗合馬車、バス、馬車鉄道、電車、メトロ、バスなどが展示されていた。1998年に一旦閉鎖されたが、現在展示物はパリ郊外のシェルに(Chelles)に保管されており、2016年以降に同地で再開館の予定である。
http://www.amtuir.org


1号線(Hôtel de Ville 駅)
提供/倉澤泰樹


2号線(Barbes Rochechouart 駅付近)を走る車両
提供/岡崎利生

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄ビジュアルガイドブック」より

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