一般社団法人 日本地下鉄協会

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ロンドン(LONDON)


イギリス
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

人口●6157万人
面積●24万3610km2
主要言語●英語
通貨●ポンド
1ポンド=150.04円
1人当たりGNI●4万660ドル

正式名称ではグレートブリテン(イングランド、スコットランド、ウェールズ)及び北アイルランド連合王国という。日本語でのイギリスはイングランドの転訛したものであり、イングランドとはケルト人が侵入者のノルマン系のアングロ人をイングとなまったことに始まる。鉄道発祥の地であり、軌間統一法により採用された1435mmの軌間は、その後世界の標準軌となった。

ロンドン London

英国の首都で人口768万人。イングランド南東部、テムズ川河口から約60km上流に発展した英国の政治、経済、文化の中心地である。ローマ時代のロンディアムに遡る歴史と伝統が生き続ける街で、銀行や商社が集中しているシティと呼ばれる区域が市の中心的存在となっている。国会議事堂、バッキンガム宮殿、ウエストミンスター寺院、ロンドン塔、大英博物館など歴史的な観光名所も多い。

営業主体

London Underground Limited(LUL)
55 Broadway, London SW1H OBD, United Kingdom TEL:+44-207-222-5600 FAX:+44-207-918-4093 URL:http://www.tfl.gov.uk/home.aspx〈英語〉

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

ロンドン地下鉄は、1863年にPaddington(Bishop's Road)~Farringdon Street間6駅6kmで、世界初の地下鉄(メトロポリタン鉄道)として開業した。「通勤者」ということばが使われ始めたこの時代、郊外から乗り入れる鉄道が都心の建物密集地帯にターミナルを設けられないために、都心部の地下を走行する鉄道として計画され、開削工法により建設された。
動力として電気が使われ始める前の地下鉄は、蒸気機関車によって牽引されていたため排煙対策が大きな課題であった。しかし、1890年には、現在のノーザン線で電気機関車牽引による運行が世界で初めて開始されたのに続き、1898年開業のウォータールー&シティ線では電車による運行を開始、以来路線延伸が着実に進められてきた。
現在は、初期の開削工法により建設された断面の大きい車両による運転が行われている「サーフェイス」線と、大深度地下に掘られた円形断面のトンネルを小型車両が走る「チューブ」線によって、ロンドン市内に稠密な路線網を形成している。
ロンドン地下鉄会社の運営については、従来は、バスとともにロンドン地域運輸公社(London Transport)がその責務を担っていた。しかし、2000年5月のロンドン市制改革に伴い、ロンドン交通庁(Transport for London: TfL)が新設されたため、2003年7月以降は、ロンドン地下鉄会社もロンドンバス(London Bus)やドックランド・ライトレール(Docklands Light Railway)などとともに、TfLの管理下に置かれている。
一方、TfLへの運営移管に先立って、ロンドン地下鉄にはPPP方式(民間資金活用方式)が導入された。この背景には、インフラの老朽化、年々増大する旅客輸送量への対応の必要性、不安定な政府補助とそれに伴う事業計画遂行の不確実性があり、これにより、安定的な資金の確保とそれに伴う投資の増大が目指されることになった。そして、PPP方式の導入に伴ってロンドン地下鉄の上下分離が実施され、インフラの管理・運営はInfracoと呼ばれる民間コンソーシアム(企業連合)が担うことになった。ただし、安全性の確保も含めて、列車運行に関する責任はすべてロンドン地下鉄が負っている。
現在、ロンドン地下鉄では、PPP方式により駅の改良や近代化、全線への新車両導入を進め、最終的には輸送能力を15~20%増大することを目指している。車両の置き換えに関しては、ノーザン線とジュビリー線の新車への置き換えが完了し、現在は開業当時より使用している車両が老朽化しているビクトリア線の置き換えを行っている。
1999年11月にテムズ川下の地下部分が開業したドックランド線は、ジュビリー線の南東部、かつてのドックランド地域に開発された住宅地を結ぶもので、南北線と東西線がある。同時にジュビリー線の東部へ延伸部も開業し、それまでの終着駅であったCharing Cross駅は閉鎖された。またジュビリー線は、将来自動運転を実施する予定となっていることから、一部の駅にホームスクリーンドアを設置すると同時に、車両も新型車両へいち早く置き換えた。
ピカデリー線の終端駅であるヒースロー空港では、各ターミナルをループ線で結ぶ構造となっており、当初はターミナル1・2・3とターミナル4に駅が設けられたが、新たに完成したターミナル5へ乗り入れさせるため、ループ線の延伸が行われた。
今後の計画として、現在運行を休止しているイーストロンドン線の改良と南北方向への延伸、末端部分で接続するNational Rail(BR)線への乗り入れを計画しており、一期工事完成後、北はDalston Junctionまで、南はCrystal PalaceとWest Croydonまで運行される予定である。


Heathrow Terminal 5駅。車両の左にあるのは立ち入り禁止のフェンス
提供/倉澤泰樹


ピカデリー線73型電車の社内
提供/橋爪智之

データ

開通年 1863年1月 軌間1435mm
営業キロ 408.0km電気方式 直流630V
路線数 12 集電方式 第三、第四軌条
駅数 270 運転保安 ATC/ATO
従業員数 1万3400人 最小運転間隔 2分
運行時間 4:40~1:30 車両数 4070両
運賃制度 ゾーン制 列車運転線路 左側
輸送人員 10億7300万人   

利用方法

乗車方法

自動券売機または出札窓口で乗車券を購入し、自動改札機に投入して乗車する

運賃

ゾーン制。1.60(ゾーン1)~3.80ポンド(ゾーン1~6) ゾーン1を含まない単ゾーンの移動は1.10ポンド。以上はいずれもオイスターカードを使用した場合の金額で、普通乗車券を買うとゾーンに関わらず初乗り4.00ポンド均一となる

乗車券

普通乗車券及びオイスターカード(プリペイド方式のICカード型乗車券で地下鉄、バス、トラム、国鉄の一部区間で使用可能、デポジットは3.00ポンド)。割引乗車券として、トラベルカード(1日用、ウィークエンド、家族用、定期1日用LTカード、団体用1日乗車券、16・17歳用LTカード、学生用写真付きカード、子供用割引写真付きカード、外国人旅行カード)と回数券がある

旅客案内

英語のみ。駅構内に路線表示板、方向指示表示板などがある。路線は、路線カラーと行き先が東・西・南・北方向で表示されている

利便施設

エスカレーター及びほとんどの駅にエレベーターの設備がある その他◎ほとんどの車両は自動ドアだが、一部の車両は半自動ドアになっているため、乗降時にドアボタンを押す必要がある。また、車両から車両への通り抜けが禁止されており、違反すれば罰金が課される 〈橋爪智之〉

不満そうな人類の蒸し風呂

蒸気機関車が牽引する地下鉄の排煙対策として、地面の浅いところを走るトンネルの所々に天井を設けず堀割のままとしたり、燃料に煤煙の少ないコークスを用いたりなどの工夫はされたものの、空気の汚染は激しく、「不満そうな人類の蒸し風呂」などと評され、決して乗り心地のよい乗り物ではなかった。

乗り換えの必要を少なくするための配線

ノーザン線のCamden Town駅では、全列車が、同駅の南北両端で2方向に分岐する路線のいずれの進路も取れるように複雑な配線をしており、同駅での列車の乗り換えの必要を少なくしている。この駅から乗車する乗客へは、2つあるホームのどちらから先に列車が出るかの判断が重要なため、プラットホームへ降りる階段上で案内表示を行っている。

ロンドン交通博物館

地下鉄ピカデリー線のCovent Garden駅から徒歩3分の場所にあり、1866年製の世界初の地下鉄用蒸気機関車や各種の地下鉄車両、トラム、2階建バス等を展示している。開館は10時~18時(金曜日は11時~18時)で12月24~26日は休館
TEL:+44(0)20-7379-6344
URL:http://www.ltmuseum.co.uk/


オイスターカード 86mm×54mm


ロンドン北東部郊外の地上区間を走行するセントラル線92型車両(Theydon Bois駅)

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄 -151都市のメトロガイド-」より

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