一般社団法人 日本地下鉄協会

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モスクワ(Moskva)


ロシア
Russian Federation

人口●1億4087万人
面積●1709万8242km2
主要言語●ロシア語ほか
通貨●ルーブル
1ルーブル=2.83円
1人当たりGNI●7530ドル

極東アジアからヨーロッパまでのユーラシア大陸の北部を占める世界最大の面積(日本の45倍)を有する連邦共和国。9世紀にバイキングのルーシ族によってノブゴロド、キエフ両公国が建国され、総称して国名がルシアとなった。1917年の革命により世界初の社会主義国家ソビエト連邦を建国し、アメリカと2大国時代を築いたが、20世紀末に崩壊し、旧構成各国によりCIS(独立国家共同体)を創設した。

モスクワ Moskva

モスクワ河畔の森の中に広がる1147年に築かれた都市で、ロシアの政治、文化、科学、工業の中心都市。かつてはソビエト連邦の首都であり社会主義国家群 の心臓部であったが、1991年の8月革命によりその地位は大きく後退した。人口は1049万人。金属、機械、化学、車両などの工業も盛んで、モスクワ・ コンビナートの中心地。クレムリン宮殿を軸に、街路は放射状に延び、ボリショイ劇場、聖ワシーリー寺院、トレチャコフ美術館、国立歴史博物館などがある。

営業主体

Moskovski Metropoliten
41 Prospekt Mira, bldg 2, Moscow 129110, Russia
TEL:+7-095-288-0188 FAX:+7-095-288-0288
URL:http://www.mosmetro.ru〈ロシア語/英語〉 e-mail:info@mosmetro.ru

路線図

※クリックで拡大します。

地下鉄の概要

最初の開通は1935年5月、1号線Sokoljniki~Park Kuljtury間9.5km及びその分岐線(3号線)Kaliniskaya(現Arbatskaya)~Smolenskaya間2.1kmの合計11.6kmであった。
モスクワの地下鉄は、旧ソ連時代の「国家5ヵ年計画」により建設が進められ、運営は市地下鉄公社が担当している。最初の建設計画は1931年に決定され、1932年に着工された。計画にあたっては、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ベルリンの各地下鉄からの技術支援を得たが、設計、建設は旧ソ連邦の技術者により行われた。計画路線網は放射線と環状線から構成され、市内と郊外を結ぶとともに、長距離幹線鉄道の始発駅と接続されていたが、国鉄路線等との相互直通運転の計画はなかった。地下鉄建設は第2次大戦中も続行された。
北西線及び北東線の放射線は1948年に完成し、環状線は1950年から順次開通し1954年に完成した。建設にあたっては、シールド工法(シールドの直径6.1m)が採用された。トンネルの深さは、市中心部で30.5~39.6m(最深駅は3号線のPark Pabedy駅で84m、エスカレーターの長さは126m)、郊外地域で4.0m~6.1mといわれている。
モスクワ地下鉄の軌間はロシア標準規格の1520mmで、集電は第三軌条方式である。駅間の平均距離は1800mと長く、一番長い区間は4号線のAleksandrovskij Sad~Arbatskaya駅間で6.6kmもある。従って、列車の平均速度(駅停車時間含む)も42km/hと速い。
1963年製のE形車両から弾性車輪を使用し、1968年には環状線でATO運転を開始している。輸送量増加に対処するため、85秒間隔運転を目標に2線でATC化を図り、6路線でワンマン運転を実施している。
1970年からはホームの長さを155mとし、8両編成運転ができるようにしている。現在では2・6・7・9号線は8両編成運転、1・3・8・10号線は7両編成運転、4・5・11号線は6両編成運転を実施している。 車両の標準的な長さは19mで、各車両とも側面4ドアである。   同じホームで乗り換えができるのはKitaj-Gorod駅(6・7号線)、Kashirskaya駅(2・11号線)、Tretjyakovskaya駅(6・8号線)、Kuntsevskaya駅(3・4号線)の4駅のみで、その他の乗換駅は、各線独立した駅名やホームがあり、地下通路でつながっている。地下鉄シェアはモスクワの全交通量の57%と非常に高く、年間輸送人員は世界一である。
1990年代までは資金不足のため建設はあまり進まなかったが、最近になって連邦政府は建設資金補助を増やし、地下鉄建設に積極的になってきた。2005年9月10日に4号線の支線としてKievskaya~Delovoy Tsentr間2.2kmが開業し、さらに2006年8月30日にはMezhdunarodnaya駅までの0.5kmが延伸開業した。
2008年1月7日には3号線の延伸部分Park Pabedy~Kuntsev-skaya間及び4号線の延伸部分Strogino駅が開業した。これを機に、4号線のKuntsevskaya~Strogino間が3号線に統合され、4号線の西方の終点はKuntsevskaya駅となった。
ロシア鉄道省は2008年3月14日の会議で、既存地下鉄混雑緩和のため、現在の地下鉄環状線の外側を走るロシア鉄道の貨物用環状線を旅客列車線に改良、更新するというマスタープランを正式に決定した。2011年までに54kmの貨物専用線を全線電化し、新しく30駅を新設する。このプロジェクトはロシア鉄道とモスクワ市政府により管理されることになっている。
貨物用環状線の改良は既存地下鉄の異常なほどの混雑を解消するためのもので、利用客は地下鉄と12駅で相互乗換が可能となり、ロシア鉄道通勤線とも7駅で接続する。まず第1期工事として、メトロ放射線との接続があり、Vnukovo空港に連絡する5駅の区間で工事が開始された。なお、この線は貨物線としても使用されることになっている。


4号線の起点Aleksandrovskij Sad駅で折り返す社内に白熱灯を用いた旧型車
提供/黒田一樹


ステンドグラスの壁面装飾が内装の豪華さを演出する5号線のNovoslobodskaya駅
提供/黒田一樹

データ

開通年1935年5月 軌間1520mm
営業キロ292.2km電気方式直流825V
路線数12 集電方式第三軌条
駅数177 運転保安ATC/自動閉塞式
従業員数3万7401人 最小運転間隔1分30秒
運行時間5:45~1:15 車両数4504両
運賃制度均一制 列車運転線路右側
輸送人員25億7290万人   

利用方法

乗車方法

窓口でICカードを購入し、自動改札機にふれて乗車する

運賃

22ルーブル均一

乗車券

1回券、5回券(105ルーブル)、10回券(200ルーブル)、20回券(380ルーブル)

旅客案内

ロシア語のみ。車内放送は、郊外から市中心部に向かう列車は男性の声で、市の中心から郊外に向かう列車は女性の声である。また環状線においては、右回りが男性の声で、左回りは女性の声で放送され、乗車中の列車の進行方向がわかるようになっている

利便施設

地下深くに建設された駅が多いため、高速のエスカレーターが設備されている(速度は毎分60mで日本の2倍)


その他

①エスカレーターでいったん出口に向かうと、改札を出て、改めて乗車券を購入しない限りホームに戻れない
②運転間隔を短くするために、列車の加減速度が大きい 〈小池房雄〉

モスクワ地下鉄歴史博物館

1号線のSporti-vnaya駅構内にあり地下鉄の歴史を中心に展示しているが、案内の看板などは出ていない。日本語のホームページを参照
URL:http://www.toride.com/~roshiashi/album60.1.html

豪華な駅の建築・装飾

モスクワ地下鉄の駅の建築、装飾の豪華さは有名であり、観光客向けにツアーが組まれているほどである。豪華な駅はKievskaya、Komsomolskaya、Novoslobodskaya、Mayakovskaya駅等である。最近建設された駅はシンプルで近代的なデザインとなっている。

モスクワ地下鉄の駅名

モスクワ地下鉄の路線地図の中で、Kiev-skaya駅とあるのは、実は「キエフ駅」のことで、キエフ方面への列車の出発する駅のことである。ロシア語で「駅」というのは「vok-zal(東京駅のような大きな駅、男性名詞)と「stantsiya(地下鉄の駅のような普通の駅、女性名詞)とがあり、地下鉄では後者が多く使われている。そこでKievskaya駅で、キエフ(への)駅という時は形容詞「キエフ(への)」というロシア語も、stantsiyaという女性名詞を修飾するため、主格ではKiev-skayaとなる。stan-tsiyaは省略されている。ロシアの地下鉄の駅名に「-skaya」というのが多く見られるのはこのためである。


カード式乗車券 54mm×85mm


ライトメトロのL1号線には中型車両が導入されている
提供/黒田一樹

*一般社団法人 日本地下鉄協会 「世界の地下鉄 -151都市のメトロガイド-」より

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